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花育がもたらす効果とは?子どもの心を育む教育活動の魅力

こんにちは。ライター&広報の岩田紫苑です。


今回は「花育」の概要やその効果について詳しくご紹介していきます。花や緑と触れ合う体験を通して、子どもにはどのような効果があるのか。私が今まで花育の現場で経験してきた具体例を挙げながら伝えていきます。また”切り花”と”園芸”の切り口から、花育の特徴と意義を探ります。



花育とは

花育とは、子どもたちが花や緑と触れ合う機会を通じて、⼈格形成を⽬指す活動を指します。花や緑に触れることで、子どもたちの五感を刺激でき、創造力や感性を育てたり、自然の美しさや豊かさを伝えることもできます。 花や緑との関わりで子どもの心の成長を促す教育活動が、花育の本質と言えます。


花育の効果


五感を刺激できる

【視覚】

同じ種類の花でも、色付きが微妙に異なったり、花びらや葉の形が大きかったり小さかったり…個体差の違いを発見できます。バラやカーネーションなどは、スプレータイプとスタンダードタイプによって、花の大きさや茎の付き方も違うので、存分に見て楽しむことができます。また、昨日までは蕾だった花が開花した!という成長の変化を感じることができ、日々観察し甲斐もあります。

【聴覚】

身近に感じやすいのは、落ち葉を踏む音でしょうか。沢山の枯れ葉が重なりあい、一歩踏む出すたびに、カサカサ、バリバリという乾いた音が聞こえます。花も同様、生花とドライフラワーでは、鳴り出す音も異なります。生花を飾る時には聞こえなった音が、ドライフラワーを飾る時には聞こえる!そんな違いを耳から感じ取ることができます。


【嗅覚】

花の香りに癒される方は多いでしょう。バラ1つをとっても、フルーティーな香り、スパイシーな香り、シトラスのような香りなど様々です。ネギ坊主は、名前の通りネギの香りがします。茎を切ると、さらに強い香りを感じることができ、鼻がツン!とするほどです。春に出回るリューココリーネは、バニラや桜餅などの甘い香りがして、花屋さんでは思わず、鼻を近づけてみたくなる花です。


【味覚】

最近、飲食店ではエディブルフラワーを見かけることも増えてきました。デザートやカクテルなどに添えてあり、華やかで見た目もとても可愛らしいです。生の状態で食べてもOK、加熱してコンフィチュールやジャムにしたら、パンやヨーグルトとの相性も良く、使い勝手が良い加工品に変身します。


【触覚】

触覚で、特徴的な花と言えばケイトウでしょうか。ビロードのような光沢のある色合いが特徴で、煌びやかなラインが入っているので、視覚的にも特徴がある花ですが…フェルトのような触り心地で、モフモフしています。見た目から「どのような触り心地なのかな?」と想像し、実際に触ってみるというプロセスも、花育の現場では実践しています。


創造力や感性を育むことができる

花や緑との触れ合いにより、様々な楽しみ方を工夫できるようになります。フラワーアレンジメントで切り落とした葉を「捨てるのがもったいない」と言いながら、ハサミでハートやリボンなど、好きな形に切り抜いた小学校低学年の女の子。いけばなで使用した菊の茎だけを剣山に挿した未就学児。大人が想像をしないことを、花育の現場では子どもたちが試してくれます。花や緑との関わりを通じて、子どもたちの感受性が豊かになり、創造的思考が促されているように、私は感じます。

 

自然の美しさや豊かさを伝えることができる

花や緑に触れる体験は、環境問題への関心を引き起こすきっかけになります。森林整備で発生したスギやヒノキの枝葉をクリスマスリースの材料に活用し、小学校高学年から中学生にむけてワークショップをした時のことです。「日本の国土の何割が森林であるか知っている?」と話しかけてみたところ、小学校高学年の女の子から「半分以上だよね、社会で習った!」と返答がありました。参加した子どもたちの中には「知らなかった!」「意外に多いね!」という反応もあり、自国の自然の豊かさを伝えるきっかけを提供できました。


社会性が養われる

花育と聞くと、未就学児や小学校低学年の子どもたちを想像する方が一般的には多いです。しかし、中学生や高校生を対象にした花育の現場では、子どもたちの視野を広げることができます。普段の生活では、接する機会が少ない花の専門家である花屋さんやスタッフとの関わりは、家族や友達とは異なる人間関係を築くきっかけとなるでしょう。花を花瓶に入れて、子どもたち自身が過ごす活動場所を彩る、というワークショップを開催した時のことです。初めは恐る恐る花瓶に生花を飾っていた子どもが、最後には慣れた手つきで花を飾り、帰り際には「花屋さんに弟子入りしたい!」と声をかけてくれました。花屋さんとの対話によって、子どもたちの視野が拡がり、社会性が養われていく可能性を感じた瞬間でした。


 切り花での花育の特徴

「切り花は、根から切り離した瞬間から余命が始まります。枯れるまでの美しさを楽しむものです。」この言葉は、3年前に取材したフラワーデザイナー森田真樹さんのお言葉。根が切断されても、切り花の生命活動は続きますが、大切に扱おうとする思いやりと行動がなければ、切り花はすぐに枯れてしまいます。花瓶のなかは、常に綺麗な水を保ち、茎が吸水しやすいように断面をカットして新鮮な状態にする。このような手入れをしていても、いつかは必ず枯れてしまう。切り花での花育は「美しい」と感じる感性、花の心情を思い描く想像力、枯れていく花への悲しみなど、多様な感情が沸き上がることでしょう。これらは、子どもたちの情緒的成長に不可欠な要素となります。 私たち人間は、おそらく、この切り花の様子に自らの存在を投影し、移り変わる「いのち」の過程を無意識のうちに感じ取っているのではないでしょうか。 これこそが、切り花から得られる「生きる力」の真髄です。


園芸での花育の特徴

一方、種や苗から植え、育て、花を咲かせるまでの園芸活動では、切り花とは異なる生命の営みを体験できます。根を張り、土の栄養を吸収し、太陽の光を浴びて成長していく花や緑の姿は、「いのち」が育まれる過程そのものです。子どもたちは水やりやお世話を通して、植物が日々少しずつ変化していく様子に気づき、生命を育む責任感や達成感を得ていきます。種まきから発芽、成長、開花、結実、そして次の世代の種を残すという生命の連続性を目の当たりにすることで、「いのちの繋がり」という大きな視点を育みます。また、天候不順による不作や虫害など、思い通りにならない状況に直面することもあります。そこから忍耐力や回復力、自然への畏敬の念を学ぶ機会も生まれるのではないでしょうか。園芸での花育は、単に美しい花を育てて保つ…だけではなく、その過程で、自然との共生や持続可能性についても考えるきっかけになります。切り花の「いのちの終わり」を見つめる体験と対をなす、「いのちの始まりと成長」を実感できることが、園芸を通じた花育の最大の特徴だと思います。


まとめ

このように、花育はこどもたちの五感を刺激し、社会性や優しさを育む貴重な教育活動です。切り花を通じては「いのちの終わり」と向き合う経験を、園芸活動からは「いのちの始まりと成長」の喜びを学びます。どちらの体験も、花や緑のいのちと、自分自身のつながりを感じる機会を提供し、環境への関心も高めます。花や緑との豊かな関わりが、こどもたちの心の成長を支え、未来を生きるための大切な力を養うと信じています。そのため私は、花育活動家を後方支援する団体を今年1月に立ち上げ、子どもたちの心を育む教育活動の普及に努めてまいります。

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