こんにちは、JOUROライターの岩田紫苑です。
現在、JOUROでは「虹ノアトリエ」いう花業界専門のオンラインサロンを運営中。ありがたいことに、サロンメンバー数はなんと400名を超えてきました。皆様、日々精力的に活動されているため、今回はサロンメンバーさんの活動をレポートさせて頂きたい。
本日ご紹介する方は、株式会社縁代表/LOTUS BASEフラワーデザイナーの森田真樹さん。広島で開催された「はなのわマルシェ2021」にて、ルーティブーケのデモンストレーションを行ったそうだ。
まずは、皆さんルーティブーケをご存知だろうか?プランツ・ギャザリング(根っこがついた花やグリーンを組み合わせる)という手法によって、束ねられたブーケのことだ。
「その手法によって出来上がる作品は、フラワーアレンジメントのようなものからリースまで様々。しかし、その中でもルーティブーケは難易度が最も高く、究極の形」
フラワーデザイナーとして、切り花で4,000件以上のウェデイングブーケを制作してきた森田さんが、そうおっしゃっていた。根っこのついた花やグリーンを土に植えるのではなく、手元で束ねていく必要があるからだ。
束ねる前に必要な下処理。それは、全ての花材についた土を取り除き、根っこを水で綺麗に洗うこと。デモンストレーションでは、スキミア(赤、白)・葉牡丹・カレックス・ウエストリンギア・シロタエギクなどの花材が使われた。根の付いたその花材を森田さんが手早くスパイラルで束ねる。最後にルーティブーケ専用のリボンで、握っている部分から、根っこの先端まで綺麗に巻き込む。
ブーケを束ねながら、森田さんは、プランツ・ギャザリングやルーティブーケの可能性についてお話ししてくださった。
「一人として同じ人間はおらず、十人十色。国籍、人種、年齢、立場。様々な違いを抱えているからこそ、どうしたって争いごとは絶えない。だが、しかめっ面をしながらお花を眺める人はいないだろう。各々が美しいお花を5秒ずつ眺めれば、世界は5秒平和になれる。お花にはその力がある。だから、僕は【花で世界平和】を掲げている。」
「プランツ・ギャザリングという手法は、根洗いの手間がかかり、制作時間もかかる。あまり実用的ではないかもしれない。しかし、人間の都合で茎をカットする切り花とは違い、プランツ・ギャザリングは植物と共存する手法。」
「さらに、根付きは様々な可能性を秘めている。ルーティブーケで2つほど例を挙げてみよう。まず1つ目。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、持続可能なという視点から、ビクトリーブーケが廃止された。ルーティブーケであれば、表彰台で受け取ったブーケを母国に持ち帰って、土に植えて育てることができる。持続可能な、という視点ではクリアできているブーケだ。続いて2つ目。花嫁さんがもつブーケをルーティブーケにする。結婚式が終わっても、ブーケをほぐして、土に植えて育てることができる。ご両親にプレゼントするのも良いだろう。結婚式で花嫁さんが手にしていた植物を育てる、というストーリーも素敵だと思う。まだまだ進化の過程だから、皆さんと一緒にルーティブーケやプランツ・ギャザリングの可能性を探っていきたい。」
そんな熱い想いを持ちながら、花で世界平和を掲げ、精力的に活動される森田さん。
「平和について強く願う広島という地で、可能性の秘めたルーティブーケの実演ができて嬉しい」そう、おっしゃっていた。
そして当日はなんとご本人の記念すべきお誕生日。奇跡が重なり、ルーティブーケを束ね終えた瞬間、顔を上げると、遠くに虹が出ていたそうだ。
お誕生日のお祝いと、益々のご活躍をお祈りしているにちがいない。
様々な想いと奇跡が重なったデモンストレーションだったそうだ。
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